ぼくとあなたと時々air bnb

air bnbで感じたことを思いのままに

第1話 突然の来訪者

 仕事中、突然1件のメールがair bnbから届いた。

 「今日、あなたの家に到着します」という内容だった。相手はタイ人の女性だ。しまった。うかつだった。実は1ヶ月前にair bnbにホストとして登録したのだが、全くもってPV数が増えないので「当日予約」の設定を解放してしまったのだ。

 「当日予約」とは、乱暴に行ってしまえばゲストがホストの了解なく勝手に当日でも予約できてしまうシステムで、ホストが初心者の場合、あまりオススメできないシステムなのだが、PV数が格段にあがるという甘い誘惑に負け、ついに解放に至ったのだ。

 

 仕事を早めに切り上げ足早に家路につくと、既に家の前には彼女達がまっていた。近くのオリジン弁当で買った焼き魚弁当をほおばりながら。

 もちろん家は散らかったままだ。昔のドラマのワンシーンで出てくる「ち、ちょっと待って散らかってるから!」とセリフを吐き家に入るあのドタバタシーンを見事に私は体現してみせた。しかし、今回はゲストに救われた。タイ人の気質だろうか。マイペンライ精神が宿る大らかな気質のタイ人だから、通常air bnbで絶対にやってはいけない2つのこと、①チェックインできない、②部屋が片付けられていない、のダブルパンチをくらわせたにも関わらず最初から笑顔で、むしろ私にちゃんと会えた喜びのほうが大きいようで、にこにこしていた。もうお金はいらない、全力で巻き返しをはかろう、そう思った。

 

 彼女たちには家族で旅行に来ていた。プォイさんと、プォイの娘で4才のポポ、そしてプォイのお母さんの3人構成だ。プォイに部屋の説明をかなり雑に説明したあと、彼女とカタコトの英語で少し話をした。彼女がタイのホアヒンに住んでゴルフショップを営んでいること、彼女の趣味がダイビングであること、彼女の夫がプロのゴルファーであること、お母さんは日本に来るのが初めてであること、最近、タイではIS(イスラム国)のテロが2度あり、たくさんの人が死んだこと、そしてそれがとても悲しかったこと。

 

 また、彼女達の旅程についても話を聞いた。なんとけっこうリッチな旅をしていて、昨日なんてヘリで上空からスカイツリーと東京タワーを見たらしく、誇らしげに写真を見せてくれた。日本人でも滅多にこんな事は体験しないよ、というと、少し照れ笑いしていたが嬉しそうだった。宿にお金をかけるよりも、自国ではできない体験に対して投資するタイプだなと、直感めいたものをその場で感じた。

 

 彼女達は1泊だけ僕の家に泊まるのだ。明日には新幹線で京都に移動するらしい。途中、新富士駅で降りて富士山を見るそうだ。新富士駅からは見事な富士山が拝める。どうせなら河口湖まで行きたいと彼女は言ったが、行き帰り3時間はかかるしなにせ車じゃないと行けないからやめておけと言うと、残念そうにうなずいた。

 

 そして、その後は京都で2泊し、大阪で2泊してからタイに帰国するようだ。そしてここから度肝を抜く発言がプォイから繰り出されることになるのだが、そのへんは次回にまわす。

 

 それにしても、何の因果か、実は私はタイのバンコクに少しの期間だが住んでいたことがある。最初のair bnbのお客様がなんとタイ人とは、不思議な縁である。私はおそらくタイに縁があるのだろう。世界中に沢山の国があるにもかかわらず、こうして突然ふいうちをかけてきたタイの女神達。微笑みの国タイ、皆さんも是非一度足を運ばれてはいかがだろうか。

 

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